◎ヨガ哲学について
当クラスでは、アーサナ(ポーズ、身体の動かし方)だけでなく、レッスン前に「ヨガ哲学」のお話を少しだけ取り入れています。
ヨガには、約2,000年前に記された2つの代表的な根本経典(『ヨーガ・スートラ』と『バガヴァッド・ギーター』)があります。クラスでは、この教えの中から日常に役立つ知恵をわかりやすくご紹介しています。
例えば『ヨーガ・スートラ』では、ヨガを深め、心身の調和(生きやすさ)に導くための「8つのステップ(八支則)」が定められています。

- 第1段階:ヤマ(禁戒)|日常で避けるべき5つのこと(非暴力、正直など)
- 第2段階:ニヤマ(勧戒)|日常生活で大切にしたい5つの習慣(清潔、知足など)
- 第3段階:アーサナ(坐法)|安定した姿勢。もともとは瞑想のための座り方でした
- 第4段階:プラーナヤーマ(調気)|呼吸を整え、エネルギーを調和させること
- 第5段階:プラティヤハーラ(感覚器制御)|五感への意識をコントロールし、外側の刺激に捉われないこと
- 第6段階:ダーラナ(集中)|意識をひとつの対象に留め、集中すること
- 第7段階:ディヤーナ(瞑想)|深い静けさの中で心が落ち着いている状態
- 第8段階:サマーディ(三昧)|心と対象が一体となり、至福感に包まれる状態
約2,000年も昔に、現代の私たちにも通じる生き方の指針が完成していたのは驚くべきことです。
中でも「ヤマ」と「ニヤマ」は日常生活に根ざした道徳的なルールです。一見シンプルに思えますが、日々の暮らしの中で実践しようとすると、深く考えさせられる気づきがたくさんあります。クラスを通じて、現代の生活にも活かせるヨガの知恵を一緒に深めていきましょう。
日常を心地よくする「ヤマ」と「ニヤマ」
八支則の最初のステップである「ヤマ」と「ニヤマ」には、それぞれ5つの心がけが定められています。どれもシンプルですが、日々の暮らしの中で意識してみると、新たな気づきや心の変化を感じていただけます。

【ヤマ(禁戒)】社会や他者に対して「しないこと」
人間関係や社会生活の中で、自分のエネルギーを消耗させないための5つの戒めです。
- アヒンサー(非暴力)言葉や行動で他人を傷つけないこと。自分自身に対して否定的な感情を持たないことも含まれます。
- サティヤ(正直)嘘をつかず、自分にも他者にも誠実であること。
- アスティヤ(不盗)他人のモノや時間、約束、信用などを奪わないこと(遅刻を避けることも時間の不盗です)。
- ブラフマチャリヤ(禁欲・エネルギーの節制)自分の感情や欲望に振り回されず、大切なことにエネルギーを集中させること。
- アパリグラハ(不貪・不執着)必要以上に物や状態を所有・執着せず、満たされた感覚(足るを知る)を大切にすること。
【ニヤマ(勧戒)】自分自身に対して「積極的に行うこと」
自分自身の心と体を健やかに保ち、自分を高めるための5つの習慣です。
- シャウチャ(清浄)身体や部屋を清潔に保つだけでなく、思考や言葉をクリアで心地よい状態に整えること。
- サントーシャ(知足)「今あるもの」に感謝し、満たされていることに目を向けること。
- タパス(精進・情熱)目標に向かって地道に努力を続けること。困難や試練を受け入れて成長の糧にすること。
- スワディヤーヤ(聖典の研究)本(経典や良書)を読んだり、自分自身と向き合ったりして学びを深めること。
- イシュヴァラ・プラニダーナ(神への献身)見返りや結果に固執せず、大きな流れ(運命や自然の理)を信頼して委ねること。
一見当たり前のように思える項目ばかりですが、いざ日常で実践しようとすると「イライラして自分に非暴力を守れなかった」「いらない物や執着を手放せない」といった壁にぶつかります。 クラスでは、こうした「身近な悩み」にヨガ哲学をどう活かしていくかを、分かりやすいエピソードとともにお伝えしています。
